スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

江戸時代の日照権と明るさへの感覚

物書同心居眠り紋蔵」の最新刊を読んでいます。

「居眠り」と蔑まれ、陽の目をみない裏方の例繰方という役職を30年も勤め上げた苦労人。しかし例繰方30年は伊達ではなく、彼に裁きの前例を問いただせば、他の追随を許さない早さで調べ上げる。
まさに「奉行所の検索エンジン」!!!
そんな紋蔵さんだったからこそ、面白いと思える点が多々あったのですが・・・紋蔵さんが物書同心じゃなくなっていることに違和感を覚えている武之介です。(--;

そんな「物書同心居眠り紋蔵」において、現代でいう
「日照権のトラブルで、恐れながら・・・と訴えがあった」
という話が出ておりました。


珍しい一件なので、ちょこっと取り上げてみます。
江戸時代においては、当然のことながら「日照権」などといったものは明文化されておりません
(少なくとも、私は聞いたことがありません)
しかし建物の高さを制限するものはあるらしく、長屋なども2階建て以上の建設は許されておりませんでした。
これらの高さ制限は、日照権によるものではなく、どちらかといえば、火事対策による制限であったのでは?と思っております。
火事が起きた場合は、すぐどちらの方角で火の手が上がったのか?を確認します。
そして消火活動なり、逃げるなりの方向を見定めます。
しかしもし高い建物があって、火の手を確認するのが遅れたら・・・燃えやすい木造ばかりの江戸の町などは、あっという間に燃え広がってしまいます。
それゆえ、見晴らしを邪魔するような高層建築が許可されなかったのでしょうね。


現代の東京はかなりの過密地域です。
しかし、江戸時代の町人達は、それすら凌駕する過密状態で住んでおりました
まぁこれには理由があるわけで、武士・町人の人口が同じだとしても、武士は広大な領地が与えられ、そこに屋敷を構えています
それに対し、町人は残った狭い土地に武士と同じ人口の人間が押し込められている状態。
それゆえ、超が付くほどの過密地域ができあがり、その需要を満たすために「長屋」がうまれたのだと思っております。
狭い地域にぎゅうぎゅう詰めの状態で建てられていただけに、長屋と長屋との間がせまく、たとえ1階の長屋だったとしても、日当たり条件はかなり悪いものだったでしょう。
それが当たり前でした。
(「江戸の夕映え」などといった回顧録に、この長屋の話が書いてありましす。興味のある方は是非。)


ただ、現代以上に「太陽の光」という天然の明りに頼っていた江戸時代です。
光の明るさによるありがたみも今とは比べ物にならないはずでしょう。
少しでも太陽の光を有効に利用しようとするのは自明の理ですね。
それゆえ、太陽がさえぎられることよりトラブルが発生したというのも、なんとなく分かるような気がします。
(太陽だけではなく、貴重な満月の明りなども遮られてしまうはずでしょうし)

また家というモノに対する考え方の違いからもあるかと。
長屋住まいの町人達にとって、家とは「寝るだけの場所」という認識が強かったようです。
であるならば、昼間日の光が当たろうが当たらなかろうが、あまり関係ないわけで・・・それほど揉めることも無かったことでしょう。
しかし、商家や裕福な者などといった自分の店・家を持つ者達にとって、家とは「財産」となります。こうなってくると、家に対する考え方は、より現代人に近くなり、家で生活をするということが長くなるはずです。それゆえ、日の光の重要性も高まり、それがさえぎられるとなれば、トラブルとなったことでしょう。


江戸人達の「明り」がらみでの事情の一つに
「満月の夜には、皆が夜更かしをして楽しむ」
ということがあります。
夜になれば寝るしかなかった彼らが唯一遊べる満月の夜。
さぞや満月のもたらす「明るさ」に感謝したことでしょう。

この「明るさ」をさえぎるモノタチは、人であれ建物であれ、「コンチクショウ!!」だったのかもしれませんね。(^^

スポンサーサイト

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://takenosuke.blog32.fc2.com/tb.php/91-55681ff6

«  | HOME |  »

プロフィール

武之介(たけのすけ)

Author:武之介(たけのすけ)
悪ノリ大好き!でも小心者ナンデス。
そんな武之介の内なる声を余すところなく書き殴ったブログ!
表の仮面(笑)でもある、「上原半兵衛道場」もヨロシク!!
メールはこちら


follow takenosukenagao at http://twitter.com


カテゴリー


最近の記事


最近のコメント


最近のトラックバック


月別アーカイブ


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


ブログ内検索


RSSフィード


リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。