『天竺熱風録』 読了

天竺熱風録(田中芳樹)』、読了しました。
(武之介評価:★★★★

久しぶりの田中芳樹本!
大唐時代の中国と天竺(インド)を舞台にした作品です。
この時代といえば、かの有名な玄奘三蔵法師がおりますが、そんな彼を押しのけて物語の主人公になった人物、その名は王玄策。今までいろいろな中国歴史小説を読んで、沢山の中国の英雄達を知ってきましたが、彼の名前は初耳でした。こういった「発掘されていない人物を物語の主人公に据えて描いた歴史小説」は、田中芳樹氏の真骨頂でもありますね!

この王玄策ですが、実はかなり偉大な偉業を成し遂げている人物でした。かの玄奘三蔵法師が苦労して達成した天竺への道のりを、なんと彼は三度も往復しております。当時、天竺への道は陸路のみしか確立されておらず、かのヒマラヤ山脈越えの困難な道のりです。それを三度も成し遂げてしまう辺り(帰りには海路も確立いたしました)、尋常ならざる人物であると思われます。これだけでもかなりの事ですが、この2回目の天竺行きの最中、王玄策は天竺の内乱に巻き込まれてしまうのです!今回の「天竺熱風録」は、この二回目の天竺行きの際に巻き込まれた天竺の内乱が舞台となっております。

いかに唐の力が絶大とはいえ、遠く天竺の地においては味方は少なく、度々危険に直面します。しかし、驚くべき事に王玄策は
他国の地にて、他国の軍隊を率いて、内乱を収拾する
というとんでもない事をやってのけてしまいます。自国の軍ですら扱うのだけでも大変だというのに、他国の地にて、他国の軍隊を・・・というあたりがものすごいことですね。それほどの軍事的才能をみせつける王玄策を筆頭に、彼に同行する僧・彼岸、智岸の愉快な掛け合い(僧のくせに面白い人物です)、天竺の地にて王玄策を助けたインチキ老バラモンなど、一癖もふた癖もある脇役達が物語を盛り上げてくれます。
猛将が縦横無尽に駆けめぐったり、知謀の主が絶妙の計略などの興奮する描写はあまりありませんが、唐・天竺・ネパールといった当時の南アジアにある国々とのやりとりがじっくりと描かれているので、そういった面を重視して読み進めていくと面白いかと思います。

個人的には「ちょっと迫力に欠けるかなぁ」という印象が残りましたが、じっくり楽しめる作品だとは思います。田中芳樹氏であるならば、もうちょっと逸話の描写とかを盛り込んで欲しかったなぁ~と思わないでもなかったですが。(^^;

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天竺熱風録

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