『戦国風流武士 前田慶次郎』 読了

『戦国風流武士 前田慶次郎』(海音寺潮五郎) 読了しました。
(武之介評価:★★★★

前田慶次郎というと、「華の慶次 雲の彼方に」の影響を多大に受けている私は
剛勇無双
傾奇者
というやることなすこと豪快で、爽快感のある人物のようなイメージがあります。「松風」という名馬にまたがり、戦場を蹂躙するその姿は、まさに鬼神そのもの。武勇誉れ高いものにしか許されないという「皆朱の槍」を携えたその姿を見た敵は、さぞやひるんだことでしょう。

と、いうものが大まかイメージなのですが、今回の作品では、意外にこういった前田慶次郎の『武勇』を表に出したものは少なかったことに驚きました。タイトルの『風流武士』の名の通り、読書を愛し、風流を語る知的な面を併せ持つ、珍しい武将として描かれておりました。
(作中では、慶次郎が「伊勢物語」や「源氏物語」についてを語っているシーンなどがあります。)


もちろん慶次郎独特の「傾奇者」な面は余すところなく書き連ねてあります。
加茂川のへりへ出て馬を洗いながらその頃流行った「幸若」を面白おかしくして唄う

・・・此鹿毛と申すはあかいちよつかい皮ばかま、茨がくれ鉄甲鳥のとつつさか立ゑぼし、前田慶次が馬にて候

のシーンはやっぱり楽しかったですね。こういったことをおくびも出さずに、堂々と行うところが、まさに快男児たる前田慶次郎なのでしょう。
叔父でもあり大大名でもある前田利家をだまして水風呂に入れたり、出陣の指物に書いた「大ふへん者」の大文字や、秀吉の前で披露した猿踊りなど、まさに『痛快』という文字がぴったりなほど、次から次へとやってくれる。その根底には、権力者に対してこびへつらう世の姿を鼻で笑い、何者にも縛られることのない
『自由人』
という意識を慶次郎が持っていた
という形で描かれておりました。


本阿弥光悦や「槍師々々は多けれど、名古屋山三は一の槍」と唄われた名古屋山三郎、上杉家家中の直江兼続や、上杉景勝など、戦国には無くてはならない数々の武将達とのやり取りも大変面白かった。
名古屋山三郎の色気にほだされて、焦りまくる慶次郎の姿は、「華の慶次」では想像もできなかった姿でもありました。


荒々しい戦国時代を描いた作品の中では、ちょっと変わった趣向で楽しく、そして面白く読めた一冊だったと思います。「華の慶次」や「一夢庵風流記」などを読んで彼に興味を持った人には、ぜひその続きという形で、読んでもらいたい一冊ですね。

この本を教えてくださいました、瑞閏さんに大感謝です!
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Comment

[68] 面白そう!

ひと様におすすめしておきながら実は未読なのです(汗)。これは絶対に読まなければ・・・。

[69] 前田慶次郎がますます好きに

書いた通り、「華の慶次」や「一夢庵風流記」とはまた違った感じの前田慶次郎が描かれているので、面白いですよ?
でもどの本を読んでも「傾奇者」たらん面は変わらないので、そこは嬉しかったりします。

ますます前田慶次郎という人物が、好きになれましたね。

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